真夜中の円盤仮説 UFO手帖9.0 感想と紹介 その3


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特集に続きましては、おなじみの各コーナー。

〇UFOと音楽

・実録!世界オカルト音楽大全②(2024)by L.A.Hさん
ああ、Vol.1の濃ゆさに圧倒されてVol.2は未聴でした。聞かねば。と、思うがディスクが見つからない。困った時のYouTube。ハワード・メンジャーの「AUTHENTIC MUSIC FROM ANOTHER PLANET」もちゃんとあるのがありがたい。ご本人の音声による解説の後にレコードがかけられる、という体なのだけれど、そのレコードの音質の悪さが妙なリアリティを保っている感じがあります。

・Jeff Mills 「Somethig in he Sky」(2009) by オオタケンさん
UFO型ドラムマシンですと?調べてみたらこれが格好良いのなんの(https://daily.redbullmusicacademy.com/2015/04/how-jeff-mills-built-a-ufo-drum-machine)。ボタン群は円形に配置されているものの、マシン自体は円形ではなくステルス機のような多面体。そして禍々しい印象すらあたえる三脚(トリポッド)。このマシン(The Visitorと名付けられた)の作成に携わった日本人デザイナ スズキユウリ氏はなんと明和電機関係者ではないか。もうたまりませんね。しかもこのマシンのベースになっているのはローランドのTR-909、あの伝説のドラムマシン ヤオヤ(TR-808)の後継機とのこと。幾重にも興味深い……。

・Ceatano Veloso 「LondonLondon」(1971) by ペンパル募集さん
While My eyes go looking for The flying saucers in the sky…
「私の目は空飛ぶ円盤を探し続ける」
明るい曲調の裏に悲しみが湛えられています。

・The Tic Tac 「比宇宙更遠的地方」(2022) by ペンパル募集さん
なんと「チクタク」というバンドが台湾にいるとは。
ああ、確かに相対性理論味があるかも。そして進行方向別通行区分よりも真面目というのもよくわかる!
それにしてもペンパル募集さんの守備範囲の広いことよ。

・ケケケッ「宇宙クラゲ」(2023) by L.A.Hさん
YouTubeでこのアルバムのCMが見られます(https://www.youtube.com/watch?v=jv4V7SRzoiA)。
「怪約/翻訳」ご担当として記事の筆者L.A.Hさんのお名前もあります。
媒体がカセットというのも、また良いかと。個人的にはカセットテープの再生機を買いなおそうと考えている昨今でしたので。

・UFOスポークン・ワードの世界 by L.A.Hさん
「スポークン・ワード」とは音声を主に収録されたレコードである。詩や物語の朗読が多い模様だが、ラジオで放送された内容を再構成したLPがあるとは興味深い。ましてやそれが超常現象研究家として名高いフランク・エドワーズ(『四次元の謎』など邦訳もあり)のラジオ番組ときたらこれは面白そう。
フランク・エドワーズ以外にも、有名なコンタクティ達をラジオ番組に呼んだロング・ジョン・ネベルのLPも紹介されています。ドナルド・キーホーのインタビューとか……。英語力があるとこういった分野も楽しめるのか、と詠嘆。

◇広告 ふしぎ堂さん
ふ し ぎ な 人 に、 僕 は な る!
ユリ・ゲラーの少年時代の夢は……

〇UFOと映画 

・『宇宙探索編集部』 by 新田五郎さん
ああ、見なくてはと思いながらまだ見ていない一本が!この映画はEテレの中国語講座でも取り上げられたくらい話題性のあったものでした。さえない中年の主人公(オカルト雑誌の編集長)、怒ってばかり、苦労ばかりの古参女性編集者、超常現象など信じていない編集委員がいろんな意味でヤバイ人々を訪ねて(仲間を増やしながら)旅を続けていくロード・ムービー。中国ならではの「だだっ広い」光景も見どころとのこと。見なくては…!

・『ブルー・クリスマス』 by L.A.Hさん
古典的名作と言われながら、またもや見ていない一本。少し前にWOWOWでやっていたのだけど。副題「BLOOD TYPE BLUE」。エヴァンゲリオンの使途のパターンのネタ元としては有名だけれど個人的には「青い血の女」の方を想起する世代。怪奇大作戦より10年後の作品なのか。
身内の中に「他者」を認識させ、それを殲滅させようという権力側の恐ろしさ、という主題と考えると、『盗まれた街』の逆視点なのかも、と思ったり。ドナルド・サザーランド版しか見ていないけれど。その系統だと『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』が思い出されたり(コレ好き)。
噂を使って人々の分断を図る体制側、というのは毎日のように目にしている気がする昨今……。

・『プロジェクトUFO』 by L.A.Hさん
70年代アメリカの連続SFドラマとくれば期待大!YouTubeで見つけた1エピソードを見てみました(「フリーモント事件」というサブタイトル)。字幕がつけられないので画面のみからストーリーを推測しつつ。黒人の警官が、着陸したUFOと搭乗員を目撃する話で、ソコロ事件っぽい感じ。しかし、彼の報告した内容は、放映された月面着陸のシーンとあまりに似通っており……、みたいな話かと。全体的に地味な、真面目な作りだけれど、謎の着陸船とか造型が凝っていていい感じです。また、主人公二人の秘書的な女性のオフィスに何故かいる子猫がほのぼの感を出しているのも良いですね。
あと、本編とは全く関係ないけど、間に挟まっているCMも当時の本物なのが興味深い。リアルタイムでやっていた『大草原の小さな家』のCMが見られるとか!

〇UFOとUFO本

アフリカUFO本から想いを馳せる by 夜桜UFOさん
アフリカというと縁遠い感じもありますが、UFO手帖8.0で取り上げられた「エチオピアの火の玉事件」(1970年)や、今回夜桜UFOさんが言及している「アリエル・スクールUFO事件」(1994年 ジンバブエ)など、規模(被害だったり目撃者数だったり)の大きいUFO事件が報告されています。そして、個人的には大好きなコルダス星人の事件も……!
また、夜桜UFOさんの記述にある「アフリカでは土着の民俗が社会に強い影響力を持っている」という指摘では(UFOとは違いますが)「誰が電気を止めたのか――カメルーン東南部国境地域における妖術をめぐって」というシノドスの記事を思い出しました。

・『UFOs African Encounters』 シンシア・ハインド女史による1960年代から80年頃までのUFO事件の記録。コルダス星人によるラジオ放送の拝聴記もあるという。これは読みたい!

・『UFOs over Africa』シンシア・ハインド女史による一冊。アフリカの土着民俗とUFOとの関係という非常に興味深い記述があります。邦訳はされないんだろうなあ……。

・『Encounters』Jason Wallace著のアリエル・スクールUFO事件を基にしたフィクション。UFO事件から浮かび上がる、子供たちを取り巻く厳しい環境。アリエル・スクールUFO事件の真相を「子供たちによる悪ふざけ」としようとするあたりもこの厳しさの片鱗なのだろうか。

・『The UFO Issue in Central Africa』Jann Halexander 著 ガボン共和国やコンゴ民主共和国の一般人から収集されたUFO証言集なのだが、これが完全に土着民俗のフォーマットで語られるとのこと。日本の民俗との類似も指摘されていて、やはり、読みたい。

・『Beneath the African Sky:Supernatural Africa』 MJ Dickson著 英国で暮らす著者が故郷南アフリカに帰郷した際に取材した現地の超常や魔術(著者はテレビ番組制作者であり、かつ霊能者!)という猛烈に読みたい一冊。

・『Passport to the Cosmos:Commemorative Edition』 John E.Mack 著 著者はアブダクション体験に心理学的アプローチを行った精神科医で、アリエル・スクールUFO事件の子供たちへのインタビューも行っている。本書は『エイリアン・アブダクションの深層』という邦訳があるそうなのだが、632ページという歯応え抜群感。宇宙人(らしき存在)との関係を語る南アフリカのシャーマンへのインタビューというのは興味深いです。