フォーティアンでいこう! UFO手帖7.0 感想と紹介 その2




引き続き、感想と紹介です。

〇イラスト by 窪田まみさん

通学路で少女が見かけた2体の妖精。コティングリー妖精事件を思い出しますが、こちらの妖精さんたちはハンドサインでやり取りしているのであります。

〇UFOと音

Dubcon Twilight Circus meets cEvin Key
「U.F.O. Pon di Gullyside」 by L.A.H.さん

ジャケットが可愛らしい!UFOから触手が伸びその先はスピーカー(小さな手足の生えた胴体がある)。
Youtubeで聞いてみたところ、なんとも耳になじむ音です。ストレートな電子音とドラム。
ずっと聞いていられそうです。

Undisputed Truth 「UFO's」by L.A.H.さん

サイケなジャケットです。大きく「UFO」と書かれていますが、曲名は「UFO's」。
「's」はどこ行った、と思っていたらこれは日本盤独自のジャケットである模様(アルバムジャケットの転用らしい)。
1975年の曲ということですが、この年はビリー・マイヤーのコンタクト事件や甲府事件の年でもあり、世界はUFOブームだったのでしょうか。
後にフランスを席巻した『UFOロボ グレンダイザー』もこの年に放映だったし。
曲はファンクと呼ばれるジャンルなのですが、普段聞かないジャンルなので……。

Yes 「Arriving UFO」 by L.A.H.さん

プログレといえばYes。あと、個人的にはメロトロンの印象。リック、メロトロンを燃やしてはいけない。
楽曲は陽気で壮大な感じのパートもあり、なるほど映画音楽っぽさがあります。
・Moody Blues「every good boy deserves favour」by ペンパル募集さん
おお、童夢だ。大友克洋やスポーツカーよりもこっちの方が早いはず。
ペンパル募集さんの、レコードに関するシンクロニシティは、本当に「意味のある偶然」だったのだ、というお話が紹介されています。
レコードにせよ、本にせよ、何かを求め続けている人にはこういった偶然がやってくるのかも知れません。

〇UFOと漫画とアニメ

・『STRANGER』 by 新田五郎さん

作画の"あびゅうきょ"とは久し振りに目にするお名前です。
そう言えばデビュー40周年記念の漫画展がつい先日(2022年11月18日~11月27日)やっていました。
経歴の割には刊行された冊数が少なく感じられるのですが、それもそのはず(文中にも記載がある通り)執拗に描き込む人なのです。
あのすさまじい描き込みでUFOと戦闘機(と美少女)の漫画を描いているというのだから、これは興味深い。
原作の佐藤守という人も『ジェットパイロットが体験した趙科学現象』などの気になるタイトルの著者。
影男シリーズでも戦闘機、戦車、神道の神話的な美少女を描き込んでいたあびゅうきょとの親和性は高いものと思われます。


・『マン・バイト 蒼空猟域』 by 渚のいんさん

おお、長谷川裕一の新作。UFO手帖には「ネッシー2001」以来の登場です。
UFO生物説を題材にした作品。相変わらず可愛い絵柄(UFO生物マン・バイトは怖いけど)でハードなストーリーの模様です。
UFOを食べちゃった、というネタは実は古くからあり、10世紀編纂の『太平広記』にも入っています(とても美味しかったそう)。UFO生物は食欲をそそる外見ではないものの、このマン・バイト、お味はいかがなものでしょうか。


・『青空の悪魔円盤』 by 比嘉光太郎さん

呪みちるの「暗黒青春UFO譚」。
UFOと関わっていろんなものを失う人の話は数々ありますが(お金、社会的信用、家族、犬……)、さて、本作の主人公 山田の場合はいったい。
作者には同人誌で「ターボ婆ぁ」と作品があるようなのですが、こちらも気になる。
あと、脳に異物が入り込んで怪異が起きるというと『セブンブリッジ』(板橋しゅうほう)などを思い出したり……。


〇広告 by ザクレスホビーさん

あの「甲府事件」の宇宙人が
 今、君の肩をたたく!

いやー素敵ー!


〇UFOと映画

愛すべき佳作円盤映画『ナビゲイター』 by L.A.H.さん

昔見た、懐かしい!と言いたいところなのですが、ほぼ全然覚えていないことを思い知らされました。
行方不明になった少年の8年間の空白、全く変わらぬ姿での発見、と視点を主人公の家族の側にするとこれ、神隠しとか天狗にさらわれた系の話になるのですね。
自宅に帰ってきたら見知らぬおばさんに「誰?」と尋ねられるところから始まるミステリアスな前半、UFOに乗って高速で飛び回る爽快な後半。主人公がUFOの知性体に「ナビゲイター」と呼び掛けられるシーンは思い返すとジーンときます(段々思い出してきた)。結果として主人公は空白の8年間をなかったことにするのですが、ただ彼とパックマリンだけが知っている……。
ドラえもんの「無人島へ家出」みたいにならないで良かったと思う次第。
それにしても「消された20秒の東京シーン」とか気付くのが凄いなあ(他に気付いている人はいるのだろうか)。

・『これがUFOだ! 空飛ぶ円盤』 by L.A.H.さん

東映まんがまつりの中の1プログラムとして上映されたものだそうで、他には「アンデルセン童話 にんぎょ姫」「グレートマジンガー対ゲッターロボ」「仮面ライダーアマゾン」「魔女っ子メグちゃん」「がんばれロボコン」というラインナップがあります。
ざっとネットを見てみると、他のプログラム目当てに見に行ったのに怖い宇宙人の話をされてトラウマ、みたいな話がちらほら。
子供のころにこういったメディアによる微毒(虚偽情報とか軽めのトラウマとか)に触れておいた方がその後の人生楽しくなるケースはあるかも……。

・『UFOs:The Footage ARCHIVES』を見た! by L.A.H.さん

DVD5枚組、7時間で400本のUFO映像という物量もものすごいけど、苦行と呼ばれかねないこのDVDの全視聴という行為に
飄々と対峙したL.A.H.さんの、UFO愛がなにより凄いです。

・『トップガン マーヴェリック』 by ものぐさ太郎αさん

熱い!この映画をここまで機体にこだわってレビューされているものを他に知りません。
「最後の有人戦闘機」という言葉には『戦闘妖精 雪風』を思い出し、「ダークスター」と聞けば宇宙サーフィンしか思い浮かばない門外漢の私ではありますが、ちょっとググるだけで「第6世代戦闘機」「無人戦闘機」「自己回復構造」などのワードがヒットする昨今の開発事情にはくらくらするのです。

・『NOPE/ノープ』 by L.A.H.さん

UFO手帖のタイムラインを賑わせた一本。「タルタルソースは裏切らない」「ニョロニョロ」「邪悪なナビゲイター」など気になるフレーズで埋め尽くされました。ファフロツキーズ現象などフォート的要素もちゃんと入っている模様。

・映画『未知との遭遇』についてのニッチな資料について by 有江富夫さん

これは、すごい……!
「未知との遭遇 社内資料B(ハイネック博士へのインタビュー)」ですよ!
いったいどこからこのような資料を入手できるのか、という点も最大級の謎ではあります。
元はアメリカの雑誌に掲載された記事で、それを全訳したものとのことですが、日本版のパンフレットと同じ体裁ということは、配給会社などで説明用に使われたのでしょうか。あの『ジョーズ』のスピルバーグ監督の最新作、ということで集まった敏腕社員たちがハイネック博士の言説を読んでどのような反応を示したのか、興味をそそられます。
『未知との遭遇』の資料なのに、ET仮説をばっちり否定してしまうハイネック博士、という点がなによりすごいのかもしれません。

日本における「円盤は生物だった!」映画の決定版
『大怪獣ガメラ』 by 中根ユウサクさん

なるほど、ガメラ=円盤生物は成り立ちますね。
そして、公式アカウントからも認められた、窪田レインボーさんによるガメラ絵が素敵なのです。

続きます。