UFO手帖6.0刊行されました! その感想と紹介 その2


UFO手帖6.0を紹介するこのブログですが、ずいぶん間が空いてしまいました。
……全部デスマーチが悪いのです(いまだ行進は止まず)。
それでは、感想と紹介 第2弾です。

■UFOと音楽

・MC 900 ft Jesus with DJ Zero 「UFO's Are Real」 by L.A.H.さん
ストレートなタイトルにも思えるこの曲ですが、収録されているアルバム『Hell With The Lid Off』の紹介には
「幼い信仰療法師や、UFO研究者」
という文言が入っているのだそうです。
のっけからパワーワードのオンパレードだよ!
別バージョンのジャケットは確かに"有名ぽい"UFO写真が使われていますが、でも何の写真だかわかりませんでした。

・ジャック・ルーシェ 「頭上の脅威」 by L.A.H.さん
同名フランス映画のサントラです。タイトル曲を聞いてみました。さすがはフランス海空軍全面協力と謳うだけあって、勇壮でカッコイイ音楽です。
DVDの宣伝動画に出てくる「これはまさに『未知との遭遇』×『トップガン』だ!」という煽りは違うような気がするのですが。
あと、私が最初に「頭上の脅威」というタイトルを知ったのはゆうきまさみのコミックからだったりするのです。また、『頭上の敵機』とよく間違えます。

・あのねのね 「空飛ぶ円盤の唄」by L.A.H.さん
昔流行した"くだらない"歌の系譜、と思って油断して聞くとガチのオーケストラでびっくり。なるほど編曲はすぎやまこういち……。

・ラモーンズ 「ゼロ・ゼロ・UFO」 by L.A.H.さん
歌詞を読んでみるといろいろ興味深いです、この曲。
アイダホの草原に落ちてきた物は"日本から来たようには思えなかった"とか
"女王は宇宙人の味方らしいぜ"、とか……。

・井出健介と母船 「Contact From Exne Kedy And The Poltergeist」 by ペンパル募集さん
はっぴいえんど、あがた森魚と聞いては放っておけません。聞いてみたところ、私も気に入りました。
エクスネ・ケディとは…。
「1970年代に「コズミックな」サウンドで世界中の人々を魅了したものの、ある日不意に姿を消したExne Kedy And The Poltergeists。」
とか。ライブ音源のチラシ画像とかあらゆる意味で怪しくて良いです。

・大谷能生 「空飛ぶ円盤(だけの)記録(映画「バンドAと空飛ぶ円盤たちの記録」より)」 by ペンパル募集さん
ロサンゼルスの戦いからケネス・アーノルド事件、マンテル事件、シモントン事件、バレンティッチ事件というUFO事件のラインナップ、
事件ごとにに曲と朗読が流れます。映画「バンドAと空飛ぶ円盤たちの記録」を調べてみると
「『入江陽バンド』のレコーディングと時を同じくして、巨大UFOが東京・新大久保に出現したことから物語が展開し」……とのことです。
バレンティッチ事件に関する有江富夫さんのコラムもあります。
もし矢追さんがニュース番組に出ているのを見ていたら「ついに宇宙人が!」と思っただろうなあ。

■UFOと漫画とアニメ

・石ノ森章太郎『ブルーゾーン』 by 新田五郎さん
石ノ森章太郎のオカルトマンガ!これは知らなかった。
たしかに幻魔大戦だけでなくどこかオカルティックな雰囲気の作品があるとは思っていましたが、
エクトプラズム、死後の世界、ファフロツキーズ現象などが取り扱われる作品があったとは思わなかった。
UFOが乗り物ではなく生命体(のようなもの)であるとする設定をマンガでやったのはこれが最初なのかなあ。
オカルトマンガである『地獄先生ぬ~べ~』にはグリッターが出てきたけど。

・龍幸伸『ダンダダン』 by 渚のいんさん
ダンダダン!UFO手帖クラスタでも話題になった一作。
宇宙人(セルポ星人)にアブダクションされるヒロイン、心霊スポットでターボババアに呪われる主人公、
もう滅茶苦茶と言いたいところだがこれが実に面白いのです。オカルト、超常現象ネタ満載ですが
ちょっとひねった変身ヒーローものとしても楽しめます。

・小野寺浩二『妄想戦士ヤマモト』 by 渚のいんさん
出た!超常大好きデラコー先生!妄想と超常ネタとあと眼鏡(ここ重要)。ブレないお方よのう。

・久正人『エリア51』 by 渚のいんさん
アメリカ「51番目」の州にあらゆる超常的存在が詰め込まれている、というこれまた無茶苦茶な設定のお話ですが、スタイリッシュな絵柄で実にカッコ良いのです。

■UFOと映画

・映画マニアの私がトップクラスに好きな『未知との遭遇』について。 by L.A.H.さん
新コーナー「UFOと映画」。第1回にふさわしく、お題は超有名UFO映画『未知との遭遇』です。
実に詳細にかつわかりやすく解説が綴られ、何回かこの映画を見たはずの私も「こういうことだったのか!」と膝を打つことしきり。
冒頭の、砂漠で発見される旧式の戦闘機については、某有名映画評論家が全くその意味を理解できておらず、なにか哲学的な意味を無理やり見出そうとしていたので呆れてしまった、的な話を高橋克彦が南山宏との対談でしていたっけ。
改めてストーリーをたどってみると、UFOに関わって何かを失ってしまう男のお話でもあったのだなと気づかされます。
こういう、なんとなく知ったような気になっている作品についてきちんと解説を読むというのはとてもありがたい経験でした。
もっと読みたい。

・『ルシファー・ライジング』 by 中根ユウサクさん
なんと、アレイスター・クロウリーの影響を受けた映画ですと!
魔術的空飛ぶ円盤というこれまた心惹かれる概念。
この映画見てみたいな。

■ふしぎ堂さんの広告
おお、UFO手帖に広告が!
「無」Tシャツ……なんというセンス!

■アダムスキーみたいな人たち by ペンパル募集さん

第5回はキャロル・ワッツさん。
テキサスの農場主が光る円筒形の飛行物体を目撃、そしてその約2か月後、飛行物体が自分の農場に着陸しているのを発見する。
さらに、誰も乗っていないように見えるその物体から名前を呼ばれ「検査を受けるか?」と問いかけられる……。
なるほど、いかにもコンタクティ―が語りそうな話ではあるが、この後が一般的ではない。なんと、検査の結果不合格となり飛行物体から降ろされてしまうのだ(その理由もまたヒドイ)。
この話の中で最も不可解なのは、後にこの体験談がインチキだったと告白していることだ。嘘ならもっとカッコ良い話をすればよいのに、どうしてこんな話を作ったのだろう?
ここにこそ、この事件の本質があるのかもしれない。

■この円盤がすごい!

第4回 ノウルズ一家 UFO 接近遭遇事件 by 太田健さん
これは、面白い!
1988年、オーストラリアで発生した、UFOによる誘拐未遂事件(被害者は一家4人と犬2匹)。世界的にも有名なこの事件の真相に迫ります。
卵を乗せたエッグスタンド型のUFOに吊り上げられる自動車、車内に侵入する黒い霧状の物質、それを吸った人間が感じる不思議な感覚、声が低音化する現象……。どれも独特だが、科学的な検証が可能な事柄も多そうだ。
というわけで、9つのポイントに着目し検証されています。いや、実に興味深い。知的興奮を覚える一本です。
とりわけ、UFOに車体が持ち上げられたあと、地面に落とされてタイヤがバーストした件の考察は興味深い(タイヤの銘柄まできっちり調べてある精緻さ!)。
他にも車体についた煤の成分分析や、車種のスペックと状況から「時速200キロ」を検証するなどのアプローチが素晴らしい。
それだけ多くの情報が残されている事件だったということもできるだろうが、これまで(日本では)その顛末があまり語られていないというのも不思議な感じではあります。