UFO手帖5.0の感想と紹介をお届けするこの記事も3回目、今回で紹介完了であります。
●古書探訪 by 中根ユウサクさん
今回はあの中根さんが20年も探し求めたまさに幻の本、
『岡山に出現したUFO』
です。月刊タウン情報おかやま別冊、ということで、それは他の地域では出会いにくそう。
『岡山に出現したUFO』
です。月刊タウン情報おかやま別冊、ということで、それは他の地域では出会いにくそう。
昭和62年6月に岡山の版元から出版されたとのことだが、私その時期岡山にいたぞ?
全く認識できていなかったのは返すがえすも残念である。
全く認識できていなかったのは返すがえすも残念である。
内容は、地元岡山の高校教師の方で「日本空飛ぶ円盤研究会」のメンバーでもある畑野房子氏の資料を編集者である著者がまとめたものとなっている。
畑野氏の夫である安井清隆氏(日本の初期コンタクティ)の体験(すさまじい資料的価値)や、岡山で発生した数々のUFO事件が記述されている。
一部で有名な、
「高校生を追い回す、車に乗った黒いのっぺらぼう」
の話も載っているとか。
岡山だったのか、あの話。
一部で有名な、
「高校生を追い回す、車に乗った黒いのっぺらぼう」
の話も載っているとか。
岡山だったのか、あの話。
個人的には小学生数十人が見た、UFOの出現シーン(何もない空間に徐々に実体化していく円盤)が印象的。
この本が刊行された昭和62年は瀬戸大橋が開通する前年。やはり時代の境目にUFOは現れる……、いや現れたのか?
残念ながら、私の知る範囲ではUFO目撃譚はなかったのでした。
●ちびっこUFO手帖 おれっちはUFOを見た! by 中根ソウスケさん
ふと見た窓の外に見えたUFO。10秒ほどで消えてしまったのだが、その後中根ソウスケさんがとった行動とは⁈
答え:ほかの目撃者を探し、スケッチを見せて同じものだったかどうかを確認する。あと、UFO研究サークルを立ち上げる。
ふと見た窓の外に見えたUFO。10秒ほどで消えてしまったのだが、その後中根ソウスケさんがとった行動とは⁈
答え:ほかの目撃者を探し、スケッチを見せて同じものだったかどうかを確認する。あと、UFO研究サークルを立ち上げる。
お父上による英才教育が結実していますね。
残念ながら、新型コロナの影響で小学校は休校となりサークルも立ち消えてしまったそう。
まさにウイルス憎し。
残念ながら、新型コロナの影響で小学校は休校となりサークルも立ち消えてしまったそう。
まさにウイルス憎し。
●シリーズ 超常読本へのいざない by 馬場秀和さん
超常現象好きならきっと気に入るお値打ち物を紹介するこのコーナー、
今回のテーマは「超常現象のとらえにくさ」であります。
超常現象好きならきっと気に入るお値打ち物を紹介するこのコーナー、
今回のテーマは「超常現象のとらえにくさ」であります。
解明しようと追えば逃げ、あきらめようと思えばチラリと現れる超常現象。
何やら現象そのものの背景に意図的なものすら感じられる。
何やら現象そのものの背景に意図的なものすら感じられる。
この「とらえにくさ」そのものにアプローチを図る2冊が紹介されています。
まずは『オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ』(森達也 著)
オカルト的なものに強い興味を持ち、ほぼありとあらゆる"超常現象の担い手"に会い、実験や儀式に立ち会う。
数々の体験をして、それでもとらえきれないオカルト現象。
肯定派でも懐疑派でもない「困惑派」という位置づけはリアリティを感じます。
数々の体験をして、それでもとらえきれないオカルト現象。
肯定派でも懐疑派でもない「困惑派」という位置づけはリアリティを感じます。
また、まるで意図をもって超常現象が起きている(ように思える)というのは、何か『三体』の冒頭を思い出させるところがあります。
二冊目は『超常現象のとらえにくさ』(笠原敏雄 編)
サイ現象のとらえにくさに関する論文を網羅した超心理学の基礎文献集とのこと。
これは、読みたい。
サイ現象のとらえにくさに関する論文を網羅した超心理学の基礎文献集とのこと。
これは、読みたい。
超心理学の研究者は様々な努力をするのだけれど、従来の研究手法では「とらえにくさ」に対する進展が望めない、この後超心理学は退縮するのみ、との批判がなされます。
そこで出てくる「フィリップ実験」という手法が興味深い。
実験的に統制しやすくするため、超常的存在を人の手で作り出してしまおう、という手法なのだが、これってチベット密教で使う(日本のオカルト界でも有名な)タルパなのではないか。
タルパ製作者たちが集まってタルパと交信するのだから、クローズドな環境ではうまくいくだろうが、第三者や計測機器を使った観測をしようとした瞬間に失敗しそうな気がする……。
やはり、証明できないもの、証拠が残らないものこそが超常現象であるという割り切りが重要なのかもしれません。
そこで出てくる「フィリップ実験」という手法が興味深い。
実験的に統制しやすくするため、超常的存在を人の手で作り出してしまおう、という手法なのだが、これってチベット密教で使う(日本のオカルト界でも有名な)タルパなのではないか。
タルパ製作者たちが集まってタルパと交信するのだから、クローズドな環境ではうまくいくだろうが、第三者や計測機器を使った観測をしようとした瞬間に失敗しそうな気がする……。
やはり、証明できないもの、証拠が残らないものこそが超常現象であるという割り切りが重要なのかもしれません。
この「とらえにくさ」「意図的に自らを隠ぺいしようとする」超常現象に関しては他でもいろいろ触れられていて、
『ソレミテ~それでも霊が見てみたい』(小野寺浩二、石黒正数)でも語られている。
幽霊のうわさが絶えない少年画報社ビルで深夜肝試しをした挙句結局何も起こらず。
編集部で休憩しながら
「出ないねー」
みたいな話をしていると、向かいに座っていた編集者二名の顔色が変わる。
聞けば、著者二人の背後で(誰もいないのに)ドアが開いたとのこと。
見たくてしょうがない著者たちには姿を見せず、怖がりなので絶対見たくない編集者だけに存在をアピールする、というのは最早、とらえどころがないというより馬鹿にされているような気がする。
また、仙道の高藤聡一郎氏の話には、仙道の練習会で念力の訓練グッズ(サイ・ホイールのような、風防の中に置かれたコマのような風車を念力で回すもの)で実験しようとしたところ、これが全然回らない。飽きた他の練習者たちがそっぽを向いたところ途端に回り始めたというものがある。
多数の人間がいろいろな方向から見つめることで、視線に乗った"気"があちこちから風車を押すので回らなかった、という興味深いお話があったっけ。
一人だと発生する現象が、他の人にも見せようとすると起こらない、とか、やたらに見たい見たいという強い気を放っていると見られない、とかいった現象は"気"で説明できるのかも…?(←そういった安易な飛びつきを科学的とは言わない)
多数の人間がいろいろな方向から見つめることで、視線に乗った"気"があちこちから風車を押すので回らなかった、という興味深いお話があったっけ。
一人だと発生する現象が、他の人にも見せようとすると起こらない、とか、やたらに見たい見たいという強い気を放っていると見られない、とかいった現象は"気"で説明できるのかも…?(←そういった安易な飛びつきを科学的とは言わない)
●乗り物とUFO by ものぐさ太郎αさん
今回は、「ヘリコプターを巡る周辺」。
みんな大好き、ヘリコプターだ!
構想は古くからあるものの、実用化されたのは近代であるヘリコプター。
そして、「プロペラ付きの謎の飛行物体」は第二次世界戦後によく見られるようになる。
ヘリコプターが本格的に投入されたのはベトナム戦争からなのだろうが、米軍が撃ち落としたはずの敵「ヘリコプター」が残骸すら見つからなかったというケースは興味深い。
ヘリコプターが活用され始めたのは朝鮮戦争のあたりからではないかと思うが、その時期、場所でのUFO目撃ケースはもしかしたらあるのかもしれない。
見たこともない形状の航空機が常識外れの機動をすればUFO思われるケースも多いのでは……。
ヘリコプターが活用され始めたのは朝鮮戦争のあたりからではないかと思うが、その時期、場所でのUFO目撃ケースはもしかしたらあるのかもしれない。
見たこともない形状の航空機が常識外れの機動をすればUFO思われるケースも多いのでは……。
大きなUFOの周辺にヘリコプターが飛んでいるというケースは割とよく聞くように思うが何より「脇役ヘリ」という呼称が素晴らしい。
ここで紹介されている「キャッシュ・ランドラム」事件では角の丸いダイアモンド型をした飛行物体の周りを飛ぶ23機ものヘリコプターが目撃されている。
ここで紹介されている「キャッシュ・ランドラム」事件では角の丸いダイアモンド型をした飛行物体の周りを飛ぶ23機ものヘリコプターが目撃されている。
UFOとヘリコプターと言えば、私のような者にはおなじみの「ブラックヘリコプター」であるが、ちゃんと登場してくるのが嬉しい。
今記事を読むまでは、"キャトルミューティレーションの現場で目撃される所属不明の黒いヘリ"、とだけ認識していたけど、白、緑、赤白の2トーン、などカラバリも豊富であるらしい。
メンインブラックと関係するヘリコプターの話もあるのか。「チッチッチ」のジェスチャーをするM.I.Bとか何かムカつくやつである。
今記事を読むまでは、"キャトルミューティレーションの現場で目撃される所属不明の黒いヘリ"、とだけ認識していたけど、白、緑、赤白の2トーン、などカラバリも豊富であるらしい。
メンインブラックと関係するヘリコプターの話もあるのか。「チッチッチ」のジェスチャーをするM.I.Bとか何かムカつくやつである。
矢追純一さんの「木曜スペシャル」で撮影されたブラックヘリコプターは子供心にも怖かったなあ。
他にも円盤型に変形したり、無音であったり、黙示録の悪魔だったり、スカリーとモルダーを追いかけたりと大活躍のヘリコプターであるのだった。
ヘリコプターは楽しい。
●ブルーブックもつらいよ by 雅さん
ルッペルト奮闘編
かつて存在した米空軍のUFO研究組織、プロジェクト・ブルーブックのおもしろ事例、困った事例を紹介する連載であるこのコーナー、初代機関長ルッペルトさんの奮闘の記録です。
ルッペルト奮闘編
かつて存在した米空軍のUFO研究組織、プロジェクト・ブルーブックのおもしろ事例、困った事例を紹介する連載であるこのコーナー、初代機関長ルッペルトさんの奮闘の記録です。
目視とレーダーで確認された二重円形(輝く円形の物体の後ろに大きな黒い円形の物体)のUFOの報告が興味深い。
場所は米軍接収中の羽田空軍基地。迎撃機にロックオンされた後それを振り切り、再び発見された時には3機に増えていたという。
再現イラストは大きな黒い円の中央に白い小さな円、というどことなくバグベアードを思い出させるものになっている。
場所は米軍接収中の羽田空軍基地。迎撃機にロックオンされた後それを振り切り、再び発見された時には3機に増えていたという。
再現イラストは大きな黒い円の中央に白い小さな円、というどことなくバグベアードを思い出させるものになっている。
他には、目撃から10年以上も経ってから報告されたケースや、窓への映り込みと判断されたケース、恐らく花火であろう白い電球状のものなど、残念なケースも多い。多いのだが、何でこんなケースまで細かく調査してるのかと感嘆の声が聞こえるほど、ルッペルトさんは頑張っていたということなのでしょう。
●UFOドラマのフラモンさん by めなぞ~る♪さん
今回は海外テレビドラマ編。
「プロジェクトU.F.O」 このドラマはぜんぜん知らなかった。ドキュメンタリータッチのUFO追求ドラマが「X-Files」より10年以上も前に作られていたとは。また、目撃談をそのまま映像化するというコンセプトがすばらしい。見たい。しかし、日本ではローカル局でしか放映されず、DVD化もしてない模様……。
今回は海外テレビドラマ編。
「プロジェクトU.F.O」 このドラマはぜんぜん知らなかった。ドキュメンタリータッチのUFO追求ドラマが「X-Files」より10年以上も前に作られていたとは。また、目撃談をそのまま映像化するというコンセプトがすばらしい。見たい。しかし、日本ではローカル局でしか放映されず、DVD化もしてない模様……。
●『UFO Danger Zone』を読んで by 花田英次郎さん
ブラジルのUFO事件を徹底取材、テーマは「人々を襲うUFO」!これは、絶対に面白い本ではありませんか。
ブラジルのUFO事件を徹底取材、テーマは「人々を襲うUFO」!これは、絶対に面白い本ではありませんか。
何故か人を襲うケースが多い南米のUFO事件。この『UFO Danger Zone』の中では襲撃された40人もの人々に取材したという。
40人に聞いた著者の情熱もすごいが、そのような壮絶体験をした人が40人も補足できてしまうという(つまりは補足できなかった人々を含めればもっと膨大な数になるだろうと思われる)この地域が何よりすごい。
40人に聞いた著者の情熱もすごいが、そのような壮絶体験をした人が40人も補足できてしまうという(つまりは補足できなかった人々を含めればもっと膨大な数になるだろうと思われる)この地域が何よりすごい。
空中から犠牲者に熱線を浴びせてUFOの中に引きずり込もうとするケース(しかも失敗したと見るや熱いオイルをかけるという攻撃)が複数ある。怖い。熱い油をかけるというのがとてつもなく嫌だ。
また、「開いた傘」のような物体が犠牲者に光線を浴びせて誘拐しようとするケースも上記と似ているが、傘状の物体にさらわれるというのはなんだか日本の妖怪っぽくもある。ちなみにこの傘状物体は風をあやつり人を巻き上げる(が、地上にゆっくり降ろしてもくれる)。
激しく巻き上げた挙句にそっと地面に戻すというと、ライアル・ワトソンの『風の博物誌』にあった、竜巻で据付の食器棚が壁からもぎ取られたが、数km先の地面で発見された時には中の食器は一つとして割れていなかった、というケースを思い出す。
激しく巻き上げた挙句にそっと地面に戻すというと、ライアル・ワトソンの『風の博物誌』にあった、竜巻で据付の食器棚が壁からもぎ取られたが、数km先の地面で発見された時には中の食器は一つとして割れていなかった、というケースを思い出す。
また、興味深いのは、UFOフラップが発生した地域では当然のようにUFOに襲われ負傷した人も大勢発生するわけで、その治療にあたった医師に取材をしたところだ。同時期に40人が光線によるヤケドで担ぎこまれ、最終的に2名が死亡ということは確実に何かが起きていたということではないだろうか。
光線で焼いたり、油で揚げようとしたりと何となく食欲を感じさせるUFOの動きだが、実際に血を抜かれるケースがあるともうはっきりと捕食行為ではないか。キバのような痕が残るし。鉤爪がついたケーブルで引っ掛けようとしたり、投網を打ってくるなどレジャー感覚も感じられる。
個人的に一番興味を惹かれたのは、木材伐採のため、島に船で向かった4人のケースである。
船内で一夜を過ごし、目覚めてみると自分以外は死ぬか大ヤケドで瀕死の状態にある。ケガ人の一人が「火が通っていく」とうわ言の様に言っているのが聞こえる……。
これは、確かに球電のようでもあるが、場所と死因を変えれば「雪女」のシチュエーションとも符合するように思う。
もし、無傷だった一人が"その瞬間”に目を覚ましていたら、見えたものは何だったのだろうか。
船内で一夜を過ごし、目覚めてみると自分以外は死ぬか大ヤケドで瀕死の状態にある。ケガ人の一人が「火が通っていく」とうわ言の様に言っているのが聞こえる……。
これは、確かに球電のようでもあるが、場所と死因を変えれば「雪女」のシチュエーションとも符合するように思う。
もし、無傷だった一人が"その瞬間”に目を覚ましていたら、見えたものは何だったのだろうか。
さらわれた後、不思議な世界を経由してまた通常の世界に帰ってきたケースも面白い。クローンのようなそっくりな人たちが、高い文明を感じさせる、しかし空虚な感じのする世界で暮らしている。皆痩せているということからディストピアのにおいもする……。だが、さらわれた彼の近視・難聴を治してくれるのだった(後日譚あり)。どこか、20世紀少年SFの世界のような感じがする、忘れがたいお話である。
ああ、面白い。この本、読みたいのですが邦訳は出ないのでしょうか。
●新編・日本初期UFO雑誌総目録稿(1947-1979)第1回 by 有江富夫さん
なんと、雑誌の目録です。すさまじいまでの労力を感じます。
『少國民の友』『科学の友』『科学朝日』などなどそうそうたるラインナップ。たまに「円盤ロケット」という記述が見えたりして興味をそそる。
あ、『リーダーズ・ダイジェスト』がある。空飛ぶ円盤の記事なんて載せてたんだ……。
などなど、読みごたえ抜群の労作であります。
なんと、雑誌の目録です。すさまじいまでの労力を感じます。
『少國民の友』『科学の友』『科学朝日』などなどそうそうたるラインナップ。たまに「円盤ロケット」という記述が見えたりして興味をそそる。
あ、『リーダーズ・ダイジェスト』がある。空飛ぶ円盤の記事なんて載せてたんだ……。
などなど、読みごたえ抜群の労作であります。
●バックナンバー紹介のページ
何と今年で発足15周年!祝!!
何と今年で発足15周年!祝!!
●編集後記 byペンパル募集さん
コロッケそば―仙台上空の謎物体―『ストレンジャー・シングス』―『怪狩り』
取り留めないようでいて、実はつながっているのです。
コロッケそば―仙台上空の謎物体―『ストレンジャー・シングス』―『怪狩り』
取り留めないようでいて、実はつながっているのです。
「そんな状況の中でも、私たちはUFOをまわしていかなければならないのです。」
今回も、お疲れ様でした。
以上、『UFO手帖5.0』感想と紹介でございます。
読もう!UFO手帖!