『UFO手帖 4.0』 オンライン販売開始です! 紹介その3(了)

Spファイル友の会がお送りするUFOエッセイ誌『UFO手帖4.0』
その紹介を兼ねました感想文、その3回目となっております。

●UFOと漫画 by新田五郎さん/朱雀辰彦さん

・『アマテラス』
いわゆる「視える人」が描写する世界、というものには何か凄みのようなものがあるのではないか、とずっと思っていた。
今回紹介された『アマテラス』にはそういう凄みがあるようだ。
これは実際に見た人でなければ描けないのではないだろうか、想像だけでこれを描くのは無理なのではないか、そう読者に感じさせるというのはそれなりの理由がある様な気がする。

・『車につぶされた宇宙人』
読者からの「宇宙人の死骸を見つけた友人がそれを回収しなかった理由」を漫画にしたものであるが、目撃者である友人の対応と、投稿者の適切なツッコミがリアルで楽しい。背景には何らかの狂気が漂っているのですが。

●古書探訪 by中根ユウサクさん
・『UFOにのってきた女の子』
UFOが目撃された夜に保護された少女。彼女が語る過酷な世界、はたしてそれは真実なのか。
中根ユウサクさん渾身の紹介。
極めて良質で、かつ真摯な問いかけをしてくる作品であることが伝わってくる。
一昨年のSFファン交流会で推された時からチェックはしていたのだけど、これは読んでみなくては。

●ぼくはこうおもいます。 by中根ソウスケさん
中根ユウサクさんの英才教育の成果報告として読みました。
お父さんが望む方向に成長なされることを願っております。

●超常読本へのいざない by馬場秀和さん
・『伝染するパラノイア――夜更けの円盤私小説』
内容と関係なくたいへん申し訳ないのですが、書影を見たときまず
「宇宙家族カールビンソンのオトーサンじゃん。」
と思ってしまいました。

超常的なものを追っている物好きが往々にして襲われる、とても偶然とは思えない高頻度の悪意ある現象。
電話だったり(ノイズ、盗聴の疑い、etc...)、郵便だったり(貴重なものはたいていロスト)、周囲の人だったり(なぜ行きずりの人がそれを知ってる?)などなど。
UFO界隈以外でもこの現象は発生するようで、『新耳袋』の著者もそんなことを書いていた。
人によるものだけでなく、物が無くなったり(たいていそのときに必要なもの)、電子機器がまともに動かなくなったりという物理攻撃はかなり嫌な気がする。
『黒衣伝説』の著者朝松健は西洋魔術研究家であり、「悪意ある偶然の連なり」という霊的攻撃を感じたら、コメディ映画でも見て大笑いする、という対応策を提示している。これはきっとキールの取った、状況のドタバタ喜劇化と同じ手法なのだろう。

あと、松村進吉は前から気になっていたので、これを機会に読んでみよう。

●乗り物とUFO 世界を変えなかったUFOの技術 byものぐさ太郎αさん
祝!MITのイオノクラフト初飛行。子どもの頃に耳にした技術が、実験とは言え形になったのは、稀有な事例ではないか。
ウリンスキの電子流飛行機、かっこいい。
マイクロ波、荷電粒子、磁気、重力などなどを利用した、興味深い推進方法が現れては消えていく。
もうそろそろ誰か金属X溶液で壁をぶち抜いても良い頃ではないだろうか。

●ブルーブックもつらいよ ルッペルト調査やつれ by雅さん
サブタイトルもつらくなってきたよ!
誤認、愉快犯は相変わらず。でもでっちあげのインチキ写真でブルーブックから金を掠め取ろうとする輩まで出てくるとは、ブルーブックの認知率も極まったということだろうか。
あと「空飛ぶ円盤ファン」という呼称と、それが要警戒の意味で使われているところが面白い。

●ドラマ「プロジェクト・ブルーブック」 byペンパル募集さん
ブルーブックつながりでアメリカのUFOドラマを紹介。
史実にはそれほど基づいてはいない模様だけど、映像には力が入っているようだ。ロバート・ゼメキスだし。
UFOはアメリカの神話、という指摘は蓋し慧眼。

●死後の世界の世界 byペンパル募集さん
今回は映画「アルカディア」。録画だけして見てないんだよ…。
かつて実在した、UFOを信仰する宗教団体をモデルとしたカルト教団、そこに帰ってきた兄弟、時が止まっているかのように変わらないままの人々…。これは面白そうだ。
中空から垂れ下がったロープ…たしかにヒンズー・ロープを髣髴させるが、茶袋やヤカンヅルといったどこからかぶら下がっているナニカ系の妖怪を思い出しました。

●なぜなにフラモンのひみつ byめなぞ~る♪さん
今回はタイムトラベルもの。「イルカがせめてきたぞっ」はSNS界隈でまたぞろ人気が沸騰中ですね。一度見たら忘れられないもんね。

●最後の天狗譚 by朱雀辰彦さん
慶応元年に目撃された天狗事例。しかし目撃したのは河鍋暁斎の下僕、そして目撃された天狗こそ暁斎自身だった?
天狗譚と絵師を巡る考察。

●UFOクロスワードパズル by羽仁礼さん
ありそうでなかったUFOクロスワード!しかも(私には)難易度高し。
早い者勝ちでプレゼントもあるよ!

●新編・日本初期UFO図書総目録稿(補遺・訂正) by有江富夫さん
毎回の力作に圧倒されますが、新編・日本初期UFO図書総目録稿インデックスがネットで閲覧可能になったとの嬉しいお知らせが!

●化物日記 ほか五篇
前号に続きまして横山茂雄先生の玉稿。掲載誌は詩誌『ジライヤ』。ああ、きっと今日も何かが空を飛んでいる。

今号も読み応えたっぷりの一冊であります。
読もう『UFO手帖』!!