『UFO手帖3.0』オンライン販売が開始されました!!(2018/11/30)
・UFOと文学のコーナー
取り上げられているのは『ヴィーナスの狩人』(J・Gバラード著)である。
バラード読んでない…。
若き天文学者が得体の知れない男カンディンスキーに関わることで、「真っ当」な人生をはずれてしまう。
カンディンスキーは砂丘で宇宙人に出会ったと吹聴するという男で、アダムスキーをモデルとしているのは間違いのないところ。
カンディンスキーは砂丘で宇宙人に出会ったと吹聴するという男で、アダムスキーをモデルとしているのは間違いのないところ。
最初は狂人だと思ったが話してみるとそうではない、ゆえに詐欺師に違いない、と常識的な判断をしているくせに、何故かカンディンスキーの言うことが気にかかる、無視できない。
そうしてどんどん深みにはまっていく…。
そうしてどんどん深みにはまっていく…。
科学的・合理的な思考を持つ者が、オカルト的な人物と出会って、のめりこんでしまう。
傍目には理解しづらいこの流れが、登場人物の体験とそれにともなう心理、そして変性意識という解釈が成り立つように描写されているとあっては、これは読まないわけには行かなさそうだ。
傍目には理解しづらいこの流れが、登場人物の体験とそれにともなう心理、そして変性意識という解釈が成り立つように描写されているとあっては、これは読まないわけには行かなさそうだ。
「バラードを読むという行為は、ごく安全なオカルト体験だといってよいのかも知れません。」
なお、1977年にNHKでラジオドラマ化されている模様…。
・古書探訪のコーナー
今回は『アガルタ―虹の都―』(R・E・ディクホフ著)
闇と光の宇宙人が対立しているという図式は現在では手垢がついたもののように思われる。
闇の勢力としてはレプティリアン、光の勢力としてはアガルタが有名どころだ。
本書は1951年に著されたもので。光と闇の戦いモノの起源の一つと思われる。
ここでは光側の火星VS邪悪な金星人(蛇体人)という構図となっている。
両者とも古代に地球にやってきて、その争いの果てにアトランティスやレムリアは海底に沈んだ。アトランティスは滅亡直前に地価都市を建設、これがアガルタとなった。現在も戦いは続いており、終末戦争は近い、というのが本書の内容である。
闇の勢力としてはレプティリアン、光の勢力としてはアガルタが有名どころだ。
本書は1951年に著されたもので。光と闇の戦いモノの起源の一つと思われる。
ここでは光側の火星VS邪悪な金星人(蛇体人)という構図となっている。
両者とも古代に地球にやってきて、その争いの果てにアトランティスやレムリアは海底に沈んだ。アトランティスは滅亡直前に地価都市を建設、これがアガルタとなった。現在も戦いは続いており、終末戦争は近い、というのが本書の内容である。
この情報だけだと、「古典だし、教養として抑えておくか」という印象になりそうだが、大丈夫、心臓わしづかみのファクターが提供されています。
・著者ディクホフはダライ・ラマの命を受けアメリカに渡ったラマ僧。霊的な導きにより対立する宇宙人と人類の関係を覚り、本書を著した。
・日本語版の監修者 関口野薔薇はインドのヨガの指導者パラマハンサ・ヨガナンダの弟子。
・日本語翻訳の石川匡祐はヨガと古神道に通暁した人物。神道天行居を創始した友清歓真を“ 恩師” と呼ぶ。
・あとがきはエドガー・ケイシー関連の翻訳をしている十菱麟。
・日本語版の監修者 関口野薔薇はインドのヨガの指導者パラマハンサ・ヨガナンダの弟子。
・日本語翻訳の石川匡祐はヨガと古神道に通暁した人物。神道天行居を創始した友清歓真を“ 恩師” と呼ぶ。
・あとがきはエドガー・ケイシー関連の翻訳をしている十菱麟。
いや、もう『あるヨギの自叙伝』、『不老・不死ハサヨガの行法―呼吸の科学』、霊的国防、超越瞑想…といった署名や単語が頭を駆け巡り、眩暈を起こしそうです。オカルトの詰め合わせというかオカルトびっくり箱というか。
・超常読本へのいざないのコーナー
「スタンスを問わず超常現象が好きな読者ならきっと誰もが気に入るに違いないお値打ちものを紹介する」このコーナー。
その第四回は『バンヴァードの阿房宮―― 世界を変えなかった十三人』(ポール・コリンズ著)を取り上げています。
「世界を変えなかった偉人」として、地球空洞説、N線、青色光療法など、発表当初はもてはやされたものの、その後に致命的な誤りが発見されることによって、オカルトや疑似科学のジャンルに分類されてしまう事柄に人生を投じてしまった人々が紹介されている。
記事ではその中の4人に着目しているのですが、トップバッターは地球空洞説のシムズ氏です。
UFO手帖3.0の中で何度となく登場している人物なのだが、本書『バンヴァードの阿房宮』でも特筆されているのは氏の受けた嘲笑、愚弄の様子。
UFO手帖3.0の中で何度となく登場している人物なのだが、本書『バンヴァードの阿房宮』でも特筆されているのは氏の受けた嘲笑、愚弄の様子。
提唱したわけではないのにどうしてこの人ばかりこうもヒドイ目に会うのか、不思議な気がする。それとも他の人たちもも同じような目に会っていたりするのだろうか。
次に登場するのは「N線の目を持つ男」ルネ・ブロンロ。
いろいろな物質から放射されているとされた「新しい放射線」N線。発見者であるブロンロは驚異的なペースで論文を発表し、ルコント賞を授与されるに至る。
だが、追試でN線を確認できなかった別の科学者によって、N線など存在しないことが証明されるのだった…。
いろいろな物質から放射されているとされた「新しい放射線」N線。発見者であるブロンロは驚異的なペースで論文を発表し、ルコント賞を授与されるに至る。
だが、追試でN線を確認できなかった別の科学者によって、N線など存在しないことが証明されるのだった…。
科学者といえども「こうあってほしい」「こうなるはずだ」のバイアスからは自由でいられない。そのために科学では二重盲検法などのメソッドを確立していくのだが、それにしても栄華の絶頂からどん底に叩き落されるというのは(科学技術分野では特に)見ていてつらいものを感じる。
続いては「青色光狂騒曲(オーガスタス・J・ブレゾントン)」。
青色光が病気を治す、という言説がブームを巻き起こし、ガラス工の争奪戦まで始まるという熱狂振り。だが、やはりその効力がないことが明らかになってしまう…。
青色光が病気を治す、という言説がブームを巻き起こし、ガラス工の争奪戦まで始まるという熱狂振り。だが、やはりその効力がないことが明らかになってしまう…。
この事件は知らなかった。いまや眼精疲労、睡眠障害、皮膚の老化、などを引き起こすとして忌み嫌われているブルーライトがもてはやされていたことがあったとは。
個人的には現代のブルーライトが健康に悪い、という言説も19世紀の青色光万歳もそう遠くないところにあるような気はする。
あと、永久機関「キーリィ・モーター」に青色光を流し込み、不老不死光線を発生させるというその構想は超絶的に私好みなので要チェックですわ。
個人的には現代のブルーライトが健康に悪い、という言説も19世紀の青色光万歳もそう遠くないところにあるような気はする。
あと、永久機関「キーリィ・モーター」に青色光を流し込み、不老不死光線を発生させるというその構想は超絶的に私好みなので要チェックですわ。
最後に「宇宙は知的生命でいっぱい(トマス・ディック)」。
すべての天体に生命が存在する、何故ならば意識する者がいなければ物質の存在は無意味だからだ、という理論の下、すべての世界に生命が存在するとの主張は後に「月面人発見!」の記事を大新聞に載せるまでに発展するのだった。
すべての天体に生命が存在する、何故ならば意識する者がいなければ物質の存在は無意味だからだ、という理論の下、すべての世界に生命が存在するとの主張は後に「月面人発見!」の記事を大新聞に載せるまでに発展するのだった。
知的生命体が地球や他の二、三の惑星にのみ発生したなどと考えるのは不敬で冒涜的である、と「キリスト教哲学者」が主張するのは興味深い。
キリスト教というと「人類だけが特別」「地球だけが特別」と言いそうな気がしていたのだがそれは中世あたりで終わっているのだろうか。
また、
「ディックは、人類はいずれ、別の知的生命体と交信する、よりよい方法をいくつも考案するだろうと考えていた。『人間はまだ幼年期にあるにすぎない』とディックは述べる。」
このあたり、宗教者というよりはSF者のセンスを感じる。
キリスト教というと「人類だけが特別」「地球だけが特別」と言いそうな気がしていたのだがそれは中世あたりで終わっているのだろうか。
また、
「ディックは、人類はいずれ、別の知的生命体と交信する、よりよい方法をいくつも考案するだろうと考えていた。『人間はまだ幼年期にあるにすぎない』とディックは述べる。」
このあたり、宗教者というよりはSF者のセンスを感じる。