UFO手帖3.0―宇宙<そら>から来ないUFO 刊行記念 その3 その他の世界からきました編


・マゴニア異聞の逆襲 ――UFO現象理論の現在

地底でも水中からでもないその他の世界からきたUFOのカテゴリとして。

UFO現象の分析・分類の背景にはユダヤ・キリスト教社会の持つ価値観があり、それぞれの仮説は相互に補完しあって成立していたのではないか、という壮大な論説。

超古代文明起源仮説、秘密兵器仮説、超心理投影仮説が分析の対象となる。

超古代文明起源仮説:地球にかつて存在した超古代文明の継承者が宇宙からUFOでやって来るという説で、つまり超古代文明起源仮説と地球外起源仮説は矛盾なく共存できることになる。
そして、超古代文明の地球外脱出はカタストロフを理由とするものでユダヤ・キリスト教世界観に受け入れられる。

 神話から史実を演算できるという思想はグルジェフから来ているということを初めて知った。グルジェフは難しい…。

秘密兵器仮説:ヴァレの示した、西側は地球外のテクノロジーを持っていると東に思わせる心理戦を展開してきたとする説がある。しかし本当に心理戦だけなのだろうか。何らかの未知のテクノロジーへの志向がうかがわれる…。つまるところ、秘密兵器説は地球外起源説と一体化するのである。

 UFOが引き起こす麻痺現象は既に解析され、同じ現象を発生させる装置が完成しているとは興味深い。電磁現象ではないけれど長距離音響発生装置であるLRADなどは似ているかも。

超心理投影説:キールの示したUFO=パラレルワールドから飛来したエネルギー生物という説があり、これはUFOを地球外起源説から切り離すものであった。その流れで地球外起源説に納得行かない人たちはキールの超地球的生命体説を支持するようになる。ヴァレは行動科学のスキナーの理論を用いてUFO現象と観測者である人間の心理との関連を説く。ここから<コントロール・システム>へとつながるのだが、ここにも一神教的世界観が投影されているのだった。

 UFOが人間の無意識によって引き起こされる汎地球的ポルターガイストであるという説は壮大だ。
 あとヴァレの研究にスキナーの理論が関わっていることは初めて知った。行動科学を概論で学んだときは「これぞ『心を忘れた科学』!」とか考えて喜んでいたボンクラ学生でした。

 一神教的でないUFO起源説ってないのかな?
 道教っぽいところだと『山海経』に出てくる奇肱国の飛車(『抱朴子』の飛車とはまた別物)みたいになるのだろうか。
 山海経では「あの国の人たちは器用だからねー、いろんな物作っちゃうんだよねー。」くらいのノリなんだけど。

ここで「その他の世界から来たUFO」小記事群。

スカイクリッターは空中生物。「ぬ~べ~」にも出てたかな。
スティック・モンスター…これはなんだろう?UMA?
芸能人・芸人のUFO話が複数あるけど、いずれも嘔吐が絡んでいるという共通点があるのが面白いです。