UFO手帖3.0―宇宙<そら>から来ないUFO 刊行記念 その2 水の底から編



引き続きまして感想です。

・「海底からこんにちは ――アビス完全版は未知との遭遇の出来損ないなのか。」

「アビス 完全版」についての考察。
ずいぶん昔にテレビで見たことがある(ただし通常版)のだけれど、核弾頭処理のシーンや海底の知的生命体(NTI)のシーンなど印象的なところしか憶えていなかった。英国版ではカットされたという呼吸用液体に浸けられるネズミのシーンも強烈だが、wikipediaによると撮影に使用されたネズミは皆生き残ったそうだ。
そういえば「謎の円盤UFO」の宇宙人も人工的な液体呼吸をしている設定だったように記憶している。

謎の知性体について、確かに通常版の印象ではたまたまそこにいて助けてくれるいい人(?)のような感じだったが、完全版ではそのあたりが異なっているとのこと。一本のドキュメンタリーとして確立しているという、アビス メイキング映像「アンダープレッシャー」と合わせて見てみたい。今でも入手可能なようだし。

・USOから出たマコト

まずは、いろいろな未確認潜水物体を紹介する記事。興味深い事件がいっぱい。
英国船ヴァルチャー号の船長が目撃した、海中・海面で行動する光体については、現場に油状の浮遊物が残留していたという点が興味深い。
なるほど、利根川のカハホタル(水中から現れて舟に乗ってくる火の玉。油・膠(にかわ)のようでたいへん生臭いという)とも共通している。
水中だけにとどまるもの、水面から飛び立ち、飛行していくもの、飛行してきて水中に沈んでいくものなどさまざまなUSO目撃談がある。
だが、この記事のメインはカナダのオンタリオ州で目撃された、湖上に浮かぶ銀色の円盤状物体についてである。
この物体にはハッチが装備されており、そこから現れた小さい人が何らかの作業をしていたという。
興味深いのは。どうもこの作業員たちは人から見られることをたいへんに警戒している風な点である。
「誰かいる!……なんだシカか。」(作業を続ける)
「人が見てる!写真撮ってる!」(慌てて飛び去る)
シカなら良くて人はだめ、というのにはどういう理由があるのだろうと考えさせられる。

・水の子供たち

湖、河川など淡水とUFO目撃の関係についての記事。
面白い!ケネス・アーノルド事件の直前にカナダで「幽霊ロケット」目撃ウェーブが発生していたとは知らなかった。
どれも湖ばかりに落ちている…だと?!
もしアーノルド事件がもう少し早かったら、幽霊ロケットの目撃・調査状況もずいぶん変わったのではないだろうか。

他にもファルコン湖事件やハイネック博士の「沼地ガス」発言による炎上事件、カニの手宇宙人によるパスカグーラ事件といった有名どころも淡水UFO事件として分類され得るとのこと。

UFOと水というと、UFOが水を吸い上げていたという目撃談も耳にするのだが、これもたいへんに不思議な気がする。
光景としては飲み水の確保というよりは山火事消火用の給水の方がイメージが近いのだが、一体どんな意味があるのだろう?
折りしも2018/11/29配信のyahoo!ニュースの特集記事に「水中に眠る船、都市、集落―― 人類の営みをたどる『水中考古学』の世界」
というものが載っていた。沈没船や水没集落の痕跡は水に沈んでいる(主に淡水)ことで風化、虫食いなどから守られ、まるでタイムカプセルのようであるとのこと。
これらUFOもそういった外環境から守るため、水を使っているのかもしれない。そういえば「謎の円盤UFO」でも宇宙人の搭乗機は地球の大気に触れ続けていると分解してしまうため、水中に潜っているという話があったっけ。

水の子供たちの記事群

ネッシー型UFO!前号の「化石のカタチをしたUFO」や「イトマキエイ型UFO」に続く衝撃。目撃場所もちゃんとネス湖の近くだし。
そしてノンマルト。「海底も人間のものだ!」…長じてから見直すと、ウルトラ警備隊のキリヤマ隊長は問題発言の多い人だなとつくづく思わされる。
子供のころはそんなに気にならなかったけど(宇宙ステーションV3から来たクラタは嫌いだった)、
「何か動きました」→「よし、撃ってみろ」
「待って、ダンがまだだわ」→「もう間に合わん。行くぞ」
何というか、敵にも味方にも苛烈な人だなあ、と。
しかし、決して悪人としては描かれておらず、むしろ頼れる上司的なイメージとなっている。
こういう「いい人」「普通の人」が異種族へのミサイル総攻撃をしてしまう、というあたりでやり切れなさが表現されている。