明治時代のUFO


明治時代のUFOといえばまず西郷星であろう。
西南戦争末期(1877年)、西郷隆盛の死と時を同じくして観測された火星の大接近によって、天文知識が乏しかった当時の庶民は、
「新星の出現」から
「死せる西郷隆盛の魂の顕現」
に思い至った、というのが通説のようである。

実際には「西郷星」という神秘現象ブームにかこつけて、普段より明るく大きく見える火星を天体ショーとして楽しんだというのが真相ではないだろうか。
同時期に火星の近くに見えた土星を指して「桐野星(桐野利秋)」と呼ぶあたり、星座の起源ってこんな感じだったのかもと思う。
また、見慣れない星の出現に故人を偲ぶ、というケースとしては、紀元前44年に出現した彗星を「カエサルの魂」と見立てた例がある。
が、特にこの彗星の中にカエサルの姿が見えた、というような記述は無いようだ。

この1877年の火星大接近は世界的にも一大イベントであった。
イタリアの天文学者スキアパレッリはこのとき観察された火星表面の筋模様を観測し、
これを「canali(筋)」と呼んだのだが、後にフランス経由で誤訳されたことにより火星には「canal(運河)」があるという説が発生してしまう。
この火星大接近から始まった「火星人ロマンス」が名作「宇宙戦争」を生み出す元(の一つ)となるのだった。

今年(2018年)の大河の主人公は西郷隆盛だし、加えて、7月には火星の大接近がある。
西郷星に関する新たな情報や考察が出てくると面白いのだが。