番号なんかで呼ぶな―ウルトラセブン回想


つい先日放映から50年を迎えたウルトラセブンについて思いを馳せてみた。
私が生まれて初めて「ハマった」テレビ番組である(再放送ではあるが。ちなみに次にハマったのは「ガッチャマン」)。

「ウルトラセブン」という名前は、突如現れたヒーローに対しキリヤマ隊長が「7番目のメンバー」との意味合いで勝手につけた名前である。
名づけるシーンは編集の都合でカットされているそうだが。
地球のピンチを救ってくれたヒーローに対し番号なんかで呼ぶなんてヒドイ、と思うところだが
実はウルトラセブンは母星でも「恒点観測員340号」と呼ばれているのでやっぱり番号なのだ。

モロボシ・ダンという名前は第1話でソガ隊員に名を問われた時、
「モロボシ・ダンとでもしておきましょう」と、
まるで即興で決めたかのように名乗ったものである。
しかし、これは随分と考えて決めた名ではないかと私は思うのだ。

母星では番号でしか呼ばれたことがない男。当時はそれが当たり前で何の疑問も抱かずにいたのだが、赴任先で出会った地球人たちを見守る中で、自分もこんな交流が欲しいと思うようになったのではないだろうか。
そのためには地球人の姿と名前が必要だ。姿は勇敢な青年「薩摩次郎」から借りたが、さて、名前をどうするか…。
「モロボシ・ダン」という素晴らしい名前を思いつくまでにきっといろいろ考えたのではないだろうか。


母星における彼は「ちょっとさみしい」人だったのかもしれない(セブン上司は部下を過労死から救おうとする良い上司だったけど)。


だがこうして思い返すとオープニングの「モロボシダンの名を借りて」は正確ではなく、「薩摩次郎の姿を借りて」だったんだなと思うがそんなことはどうでもよいのだった。