SFファン交流会「SFとUFO」潜入記

8月19日笹塚にて。もちろん潜入というわけではなく、普通に参加したのではありますが。
詳細はリアルタイムで(https://twitter.com/SFfankou)にアップされているのでこちらをどうぞ。

以下は極めて私的な感想。

SF界から遠く離れてしまって久しい私のような者が「SFファン交流会」なる催しに参加することには恐れもあったのだけれど、「UFO手帖」の面々が登壇されるということでは参加せざるを得ないだろう。

まずは、礒部剛喜さんのお話「UFO地球外期限仮説の70年史」。
磯部さんといえばジャック=ヴァレの「異星人情報局」の翻訳をされた方だ。
UFOとの馴れ初めは「謎の円盤UFO」と「エイモス・ミラー事件の衝撃的な写真」とのこと。
ああ、私もあの写真は忘れられない。会場からもざわめきが起きたのもうなずける。

UFO現象学とSFは当初一体であったが、現在はSFでUFOを真面目に取り扱うことはタブーとなってしまっている。
磯部さんはこの二者を再び一体化させることを目的とされているとのお話であった。
何といっても、最近のSF入門書には用語として「UFO」の項目が無いというのは驚きだった。

「UFO地球外起源仮説の70年史」という配布資料を中心にお話をされたのだが、たいへんに興味深かった。
中でも映画が現実(例:軍の方針)に影響した、という話は非常に面白い。前例がなく対応のしようがわからない、けど対応しなくてはならないという事象については、人は文学に頼る(というか、文学とは未経験の事象に対応するための学問)と聞いたことがあるが、それの思いっきり物理的な例の様な気がする。

コンタクティの話題で、アダムスキーは火星人も金星人もキリスト教徒であると語ったそうだが、この話を聞いて私には一つの疑問が浮かんだ。ソ連時代にもUFOやその搭乗者の目撃談はあるが(ヴォロネジ事件とか)、社会主義国のコンタクティが宇宙人は社会主義者だと報告したケースはあるのだろうか?
休憩時間にお話をうかがえればと思ったのだが、かなわなかったのが残念である。


続いての発表者は秋月郎芳さん。UFO手帖の編集長である。第2号は今年11月の文学フリマで販売されるとのこと。
買いに行きます。

特徴的なコンタクティの人々を紹介されていたのだけれど、南アフリカのエドウィンさんのケースが面白かった。
彼の友人のヴェルダーさんはある日突然「自分は宇宙人であった」という記憶を取り戻し、宇宙に帰ってしまうが、帰還前に通信機をエドウィンさんに渡し、その後12年以上にわたって交信が続くというちょっといいお話(っぽい)。
しかし私が気になったのは、当初この通信機からはホワイトノイズしか流れてこなかったのだが、ある日それが聞き取れるようになり、交信が可能になったという点である。
これは「電子音声現象(EVP)」と呼ばれる現象そのものではないだろうか。簡単にいうと霊界通信方法の一つに位置するものだが、錯覚、捏造などの批判にさらされている。
長年の研鑽の結果、エドウィンさんは交信内容を録音できるように改善したそうなのだが、これが電子音声現象と同様のものだとすると、録音結果は常人にはただのホワイトノイズにしか聞こえない可能性があるのでは…。

コンタクティの人々のお話はとても興味深かったのだが、聞けば聞くほど同人誌「SPF」(世界の謎と不思議を…する超常スリップストリーム同人誌)の8号のキーフレーズ、
「ちょっと、さみしいよね」
が頭をよぎるのでした。

発表の進行役は中根ユウサクさん。SFとUFOというお題でお勧めの一冊に「UFOにのってきた女の子」を紹介されていた。面白そうだ。古本では入手できそうだな…。

会が終わって外に出ようとすると、凄まじい豪雨と雷鳴。うへえ、と思ったが、今日は深川おばけ縁日に行く予定なのだ。躊躇なく駅に向かうことにする。雨もひどいがバンバン雷が落ちているのがちょっと怖い。電車が止まったらどうしてくれるのだ。どうにか駅に着き、清澄白河に向かうが、途中で縁日中止の報が入る。しかも翌日への延期もなしか…。残念。

SFファン交流会は有意義な催しでした。
興味ある題材があったらまた参加したい。