呪術初め(じゅじゅつぞめ)

新年を迎えることを切っ掛けに、新たな目標を立てるというのは一般的な行為である。
だが、これは呪術的に考えても意味のあることだ、という考えを聞いたことがある。

年が改まり、気分一新、何かを新たに始めてやろう、と多くの人が考えるその雰囲気に乗っかることで自らの行動変容をブーストしよう、という考え方だそうだ。
同調圧力を建設的な方向に使用した例というべきだろうか。

我が身を振り返ってみれば、昨年の最初の目標は実家の本を整理することだった。取り急ぎ、今の家に送ってから整理しようと思い、千冊ほどの本を送ったまでは良いのだが、その後の整理には未着手である。おかげで書庫に使っている部屋には入ることすら難しくなってしまった。
実は整理するだけでなく、その中から一冊の本を探し出すことが真の目標だったのだ。整理はしないまでも、捜索までは行ったのだが、なんとあるはずのその一冊が見つからず、落胆のあまり本の整理も手つかずのまま、というのが本当のところである。

探している一冊とは、タイムトラベルSF「猫の尻尾も借りてきて」である。
私がタイムループものを偏愛するようになったきっかけの作品でもある。古書価格が尋常でなくなっているので、復刊ドットコムに賭けたいところなのだが、こちらもなかなか実現しない。リクエストにも参加しているのだが…。

今年の目標はとりあえず、去年持ってきた本の片付けと、「猫の尻尾も借りてきて」について何か書くことだろうか。