山といえば…川?

日本の山といえば富士山、ということになったのはいつなのだろう。富士山のふもとで育った身としては納得してしまいそうな言説ではあるが、しかし肉眼で富士山を見たことがない人だって多いだろう。
そんな人にも「山といえば富士山だろう?」と言わしめるのは無理があるような気がする
富士山が日本で流行ったのは食行身禄(じきぎょう みろく)の功績によるものとする説がある。確かに富士講が流行する元になっているのだがそれが即日本の象徴的なものになるだろうか。

とは言ったものの私は富士山が好きなのである。
美しいコニーデ型火山、独立峰。
周囲を樹海に囲む樹海は季節とともにいろどりを変えるが、麓から森林限界の高度まで常にグラデーションがかかった状態なので、縦方向のグラデーションが時間軸に沿ってグラデーションしていく様を日々観賞することができるのだ。
また、山際にある町は遠すぎて、私の住んでいたところからは普段認識できないのだが、天気の良い夕暮れ時の数分だけ、町全体が夕日を反射し黄金色に輝くのだ。あの美しい光景を知っているのは私だけかもしれない。