未だ治らず

先週ひいた風邪がいっかな治ろうとしない。熱は下がったようだが眼はひりひりと痛み、鼻はいつまでもグスグスとぐずり続け、痰が絡んだような声しか出ない。べとべととしてさっぱりしない嫌な風邪だ。

ただ、風邪の効用、という考え方があるようだ。そのものずばりのタイトルで本を著している野口晴哉氏の弁では、しょっちゅう風邪をひいている人の方が長生きするらしい。風邪をひかないように、と身体の強化につとめてしまうとそれは体の硬化を招き、体を鈍くしてしまうからだそうだ。風邪をひくというのは敏感な証拠であり、風邪をひきたくないから、と鈍くしてしまってはかえって大きな障害につながる、ということのようだ。

仕事で忙しく気を張った結果体調が保たれているというのは、風邪を引くことすらできない、という不自由さの中にある、とも言い換えられるのではないか。

私も強制的に風邪をひかないようにする系の体調管理をしている。鼻呼吸を強いるためにマウスピースを噛んで眠るとか、次亜塩素酸のうがい薬を常用するとか、
おかげで風邪をひく回数は以前に比べて激減したが、それでも1年に1回は風邪をひく。それも毎年ほぼ同じ日に。引いたときは電撃的に症状が出て、病院に駆け込んでも薬はあまり効かず、対症療法で乗り越えるだけ。だが、まだ風邪をひけるくらいの敏感さが残っていることを喜ぶべきなのかもしれない。

試験の前日に発病とか、大事な出張の直前に発症とかそういったタイミングの悪さに目をつぶることができれば、だが。