これを履いて水の上を歩いた、とされるのだが、現在ではこれはフェイクと考えられている。決定的に浮力が足りず、沈んでしまうからだ。では、どうして「萬川集海」にも載っているのだろうか。
Wikipediaによると、歩いても泳いでも渡ることのできない湿地帯を踏破するための道具という説があるそうだ。なるほど、とは思うが、果たして湿地帯なら水蜘蛛は有効なのか、湿地帯にも固い/緩いの程度があるだろうからどの程度の固さから使えるのか、などさらに検証が必要な項目が思い浮かぶ。また、湿地帯とは干潟のようなものであろうから、それこそ「潟スキー」のような物の方が効率的ではないだろうか、とも思われる。
…そもそも「立って歩く」必要があるのか、忍者的に。
以前、気功関連の記事で「大き目の靴を履いて水の上に立つ」という功法を読んだことがある。もちろん錬功がそこまで至っている必要はあるだろうが、十分にリラックスすれば可能だと記述してあった。どれくらいの大きさの、どんな形状をした靴なのかは記述がなく、残念ながら今に至るも調べられていない。
だが、忍び込むための道具ではなく、身体操作の技術を向上させるためのトレーニングアイテムだと考えれば、水蜘蛛も納得できるのではないだろうか。