「たてもの怪談」(加門七海著)を読了。家を探すのはたいへんですよね。
私は引越しのたびに死ぬような思いを繰り返してきたので、10年ほど前に「次の引越しをもって今生における最後の引越しとする」という目的をもって家を探した。
なぜ死ぬような思いをするかというと、モノが多いからである。特に本が多いのだが本以外もやっぱり多い。引越し屋が目を剥くレベルである。
もっとも辛かったのは、就職して入った独身寮を出るときの引越しだっただろうか。貧乏学生から曲がりなりにも脱却し、安い家賃を良いことに、浮いた金で本を買いまくった挙句の引越しだったからだ。
荷造りに60時間、二徹の後の荷運びも自分で、という体力任せのスケジュールだったため、さすがに若さだけではどうにもならないレベルだったようで、体調が戻るのに数日を要したことを覚えている。
炎天下、全ての荷物をエレベータの無いアパートの3階に運び込んだ後、ボロボロの体で買い物に出たら、帰りに夕立に会い、ずぶぬれの状態で数百個の段ボールの中から着替えと入浴セットを発掘しなければならなかった、などという思い返すもばかばかしいエピソード付である。
その後も数度の引越しを行ったが、この時の経験から一ヶ月以上前から荷造りを始め、不要な本は売却し、いらないモノは断固捨てていく、という方針に切り替えている。にもかかわらず引越しの前日は必ず徹夜となり、引越しのたびに前回よりも段ボールの数が増えていることが不思議でならない。
引越しにはつらい思い出が付いて回る私だが、住処を探すのもたいへんだった。しかし、こちらの方はまだ楽しめるたいへんさだったりもするので、どこかでまとめてみよう。