食べると悪夢が見られる、もとい、悪夢を見てしまうという触れ込みのチーズがあることを不勉強にして最近まで知らなかった。
3大ブルーチーズの一つに数えられるスティルトン。イングランド原産の由緒ある名品である。
評判を調べてみると、悪夢に限定というわけではないけれど、いつもとは異なる夢を見たという感想が複数寄せられている。
これは興味深い。早速ためしてみることにした。
普段から悪夢率の高い睡眠生活である。チーズでブーストがかかったところで何ほどのことがあるだろうか。
という前振りの後、シャレにならないほど怖い悪夢を見たという結果が得られたのならたいへん美味しいネタなのだが、
実際には悪夢は見られなかった。
しかし、人々が言うように、普段と異なる奇妙な夢を見ることはできたのだった。
普段は苦しかったり怖かったり痛かったりする夢を見ているのだが、そういう場合、夢の中の主人公は姿、意識ともに私と同一人物である。
たまに悪夢に属さない夢を見る場合に、主人公が私以外の誰かであるケースがある。
誰かの人生の一部を追体験するような感覚だが、そういった分析は目覚めた後に行われ、夢見ている間にそれを自覚したことはない。
だが、スティルトンがもたらした夢は、そのどちらでもなかった。
私は夢の中でペッパー君(ソフトバンク製ヒューマノイドロボット)になっていたのだ。
正確にはペッパーの外観をしたハウスメイドロボットで、子守はするわ、掃除はするわの高性能。
意識は100%私の意識だったかというとその確証はない。
しかし、確実に私の意識が混じってはいた。というのは掃除の方法(手順や薬品の選択)が私のこだわりポイントを網羅したものだったからだ。あと、確実に楽しんで掃除していた。
確かにいつもとは異なる奇妙な夢を見ることができた。評判にたがわぬ効果に満足して二度寝に入ると、次の夢では私はゲームのキャラクターになっているのだった。
しかもニンジャウォーリアーズ。よく考えたらこれもロボットではある。ではあるが。
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